「グラニュー糖」と「上白糖」
一般的に、よく知られている砂糖は「グラニュー糖」と「上白糖」だと思います。
日頃 ごく普通に使っている砂糖、では、「グラニュー糖」と「上白糖」では、何が違うのでしょう。
今回は、「グラニュー糖」と「上白糖」について 調べてみました。
砂糖の成分
どちらも同じ「ファインリカー」という透明で高純度の糖液から結晶化された製品で、
*「グラニュー糖」は、結晶状で サラサラ して、さっぱりとした甘さに仕上がっています。
*「上白糖」は、しっとりとして、コク のある甘さに仕上がっています。
同じ糖液からつくられる「グラニュー糖」と「上白糖」、なぜ これほど状態が異なるのでしょう。
結晶の大きさ
「ファインリカー」のショ糖を結晶化させる際、添加する「種糖」粒径(りゅうけい)や量、結晶化させる時間などの長さで、結晶の大きさを調整しています。
*「上白糖」の場合は、微細な「種糖」を多量に添加し、非常に細かい結晶を作ります。
*「グラニュー糖」の場合は、「種糖」の量をそれほど多くせず、少し粗めの結晶にまで成長させます。
「ピスコ (転化糖)」の添加
グラニュー糖の場合
出来上がったショ糖の結晶は、そのまま仕上げの工程に移されます。
仕上がった「グラニュー糖」は、下の【 図 1 】のように、高純度になり、結晶は サラサラ し、クセ のない さっぱりとした甘味になります。
【 図 1 】
― | シ ョ 糖( 糖 質 ) | 「 ピスコ (転化糖) 」 ( 糖 質 ) |
色 調 |
---|---|---|---|
原 料 糖 |
97.7 | 0.7 | 黄 褐 色 |
【 ざらめ 糖】グラニュー糖 | 99.95 | 0.01 | 白 色 |
【 ざらめ糖 】白ざら糖 | 99.95 | 0.01 | 白 色 |
【 ざらめ糖 】中ざら糖 | 99.7 | 0.08 | 薄 茶 色 |
【 車 糖 】 上 白 糖 | 97.8 | 1.3 | 白 色 |
【 車 糖 】 中 白 糖 | 95.7 | 1.9 | 薄 茶 色 |
【 車 糖 】 三 温 糖 | 95.0 | 2.1 | 大 褐 色 |
【 加工糖 】 角 砂 糖 | 99.75 | 0.01 | 白 色 |
【 加工糖 】 氷 砂 糖 | 99.85 | 0.06 | 白 色 |
【 その他 】 和 三 盆 | 97.7 | 0.5 | 卵 色 |
【 その他 】 黒 砂 糖 | 80〜87 | 2〜7 | 黒 褐 色 |
※ 精糖工業会(1982年)より抜粋
上白糖の場合
仕上げの段階で、結晶の表面に「ピスコ」が 1〜2%程度吹き付けられます。
※ 「ピスコ(転化糖)」 = 「果糖」と「ブドウ糖」の混合物
その結果、果糖に濃厚な甘味と吸湿性があるため、「上白糖」は コク のある甘味と、しっとりとした食感が感じられるようになります。
まとめ
1、「グラニュー糖」と「上白糖」、どちらも同じ「ファインリカー」という透明で高純度の糖液から結晶化された製品です。
2、「グラニュー糖」は、結晶状で サラサラ して、さっぱりとした甘さで、「上白糖」は、しっとりとして、コク のある甘さです。
3、「ファインリカー」の結晶化をする際、添加する「種糖」や量、結晶化させる時間の長さなどで、結晶の大きさを調整します。
4、「上白糖」は、微細な「種糖」を多量に添加し、非常に細かい結晶を作り、「グラニュー糖」は、「種糖」の量をそれほど多くせず、少し粗目の結晶にまで成長させます。
5、上記の過程を経て 出来上がった「グラニュー糖」は、そのまま仕上げの工程に移されます。
6、上記の過程を経て 出来上がった「上白糖」は、「ピスコ」が1〜2%程度 吹き付けられます。
7、この作業により、果糖に濃厚な甘みと吸湿性があるため、「上白糖」は コク のある甘味と、しっとりした食感が感じられるようになります。
以上、参考にしていただけたら幸いです。