重曹の性質
和菓子に使う膨張剤は、すべて「重曹」を使ったほうが「※塩梅(あんばい)」が良いです。
ですが、真っ白い お饅頭の生地などに、「重曹」を使って仕上げると、全体的に黄ばんだ色がついてしまいます。
今回は、何故(なぜ)重曹を使うと 黄ばんだ色がついてしまうのか調べてみました。
重曹の詳しい性質ついて
★ 結論から説明します。
重曹を配合したお菓子の生地に 高熱を加えると、「炭酸ナトリウム」という形で、生地の中に残るのですが、
この「炭酸ナトリウム」は、アルカリ性を示す物質で、小麦粉 の中に含まれている「フラボノイド※」色素を 黄ばんだ色に発色させてしまいます。
*このことから、重曹配合の真っ白なお饅頭を仕上げた場合、全体が黄ばんでしまう現象が起きてしまうのです。
★ 重曹の名称について
「重曹」は、比較的 濃い色のお菓子に使われる膨張剤です。
正式な名前は、「炭酸水素ナトリウム」と呼ばれることから、別名「重炭酸ソーダー」と呼ばれるようになり、
それを略して「重曹」と呼ばれるようになりました。
「 重曹の性質 」の利点
重曹は、高温で加熱すると分解し、「二酸化炭素(炭酸ガス)」が発生します。
この炭酸ガスが、お菓子の生地を大きく膨らませています。
重曹は、ただ膨らませるだけではありません。
蒸かしたお饅頭なら、「ふわふわ」にさせたり、
焼いたお菓子なら、次の日に「しっとり」させます。
*膨張剤の中では唯一、お菓子の「塩梅(あんばい)」を良くさせてくれるのではないでしょうか。
「 重曹の性質 」の欠点
「炭酸ナトリウム」には、独特な「臭み」と「苦み」があります。
このため、風味のある お菓子の生地などに加えると、目的の「味」や「香り」や「色」が損なわれてしまう可能性があります。
品物が黄ばんでしまう性質があるのも忘れてはいけません。
*このような性質を知ったうえで、膨張剤を使用しなくてはなりません。
※「塩梅(あんばい)」− 料理などの品物の「具合や状態」のこと。
※「フラボノイド」−「ポリフェノール」の一種。酸性では無色、アルカリ性で黄色くなる。
まとめ
1、重曹配合した お菓子を高温で蒸かすと、「炭酸ナトリウム」が残り、小麦粉の中に含まれる「フラボノイド」色素を 黄ばんだ色に発色させます。
2、重曹は、比較的 色の濃いお菓子に使われる膨張剤です。
3、重曹は、高温で加熱すると分解し、「二酸化炭素(炭酸ガス)」が発生します。この炭酸ガスが、お菓子の生地を膨らませます。
3、重曹の利点は、蒸かしたお菓子なら「ふわふわ」に、焼いたお菓子ならば「しっとり」と仕上げてくれます。
4、重曹の欠点は、独特な「臭み」と「苦味」があり、風味のあるお菓子は、それによって損なわれてしまう可能性があります。
5、品物を黄ばんだ色にしてしまうので、白っぽい品物には注意が必要です。
以上、参考にしていただけたら幸いです。
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