アンモニア系膨張剤
膨張剤は、膨らませる種類(お菓子など)によって使い分けられています。
では、「アンモニアガス」を発生させる膨張剤とは、どんなもので 何に使われているのでしょう。
今回は、「アンモニア系膨張剤」について 調べてみました。
※イスパタを使って蒸したお饅頭。イスパタを使うと白く仕上がります。
アンモニア系膨張剤には 2種類あります
★ 結論から書きます。
「アンモニア系膨張剤」は、2種類に分けられます。
*「炭酸水素アンモニウム」 ⇒ 生地を激しく膨張させたいものに使います。
*「イスパタ」 ⇒ 白く仕上げたいものに使います。
@ 炭酸水素アンモニウム
単独で用いられる膨張剤で、水に溶かすと、室温から蒸し温度にかけて分解し、「アンモニアガス」と「炭酸ガス」の両方を発生させます。
特に、70℃を超えると強力なガスが発生するので、生地を激しく膨張させたいもの(蜂の巣揚げの衣 など)に使用されています。
また、アンモニア臭が常温でも出るので、中国では「臭紛 (しゅうふん) 」と呼ばれているそうです。
A イスパタ
「炭酸水素ナトリウム」と「塩化アンモニウム」の2種類を主成分として、数種類の「助剤」を加えた複合膨張剤です。
加熱すると、2種類のガス発生剤が効率的に反応し、後に残るのが塩化ナトリウム (食塩) なので、生地を中性〜微酸性に調整しやすく、白く仕上げたい 蒸しお饅頭などには最適な膨張剤です。
入れ過ぎると、アンモニアの独特な臭いが生地の中に残ってしまい、お菓子全体の風味が損なわれる恐れがあります。
まとめ
1、「アンモニア系膨張剤」は、「炭酸水素アンモニウム」と「イスパタ」の2種類に分けられます。
2、「炭酸水素アンモニウム」は、単独で用いられる膨張剤で、70℃を超えると強力なガスが発生します。
3、「炭酸水素アンモニウム」は、アンモニア臭が常温でも出るので、中国では「臭紛」と呼ばれています。
4、「イスパタ」は、「炭酸水素ナトリウム (重曹) 」と「塩化アンモニウム」の2種類を成分として、複数の「助剤」を加えた複合膨張剤です。
5、「イスパタ」は、加熱すると、2種類のガスが発生し効率よく反応し、白く仕上げたい「蒸しお饅頭」などには最適な膨張剤です。
6、「イスパタ」は、生地に入れ過ぎると、アンモニアの独特な臭いが生地に残ってしまい、お菓子全体の風味が損なわれやすいので注意が必要です。
以上、参考にしていただけたら幸いです。