ゲル化剤について

 

私たちの知っている「ゼラチン」や「寒天」は、「ゲル化剤」というグループに分類されます。

 

ゼリー・水ようかん・ババロアなど、これらの品物を 水分が多く口当たりの良い「ゲル状」に固める作用があります。

 

 

では、「ゼラチン」や「寒天」などは、なぜ お湯に溶けて冷やすと固まるのでしょう。

 

 


寒天を溶かして固めたもの。

 

 

「ゲル化」の原理

 

「ゲル化剤」には、植物の細胞を保護する「細胞壁」の成分であったり、細胞と細胞の間を支えている成分であったりと、本来 動物や植物の組織がしっかりと形を保つために、構造を支えてくれている物質です。

 

 

これらの「ゲル化剤」は、いずれも「細長い鎖のような規則正しい構造」を持っています。この組織に水を加えて高温で加熱すると、熱エネルギーによって分子の動きが激しくなり、組織の中の分子がバラバラに離れてしまい液体の中を自由に動き回ります。

 

 

次に液体を冷却すると、「ゲル化剤」の動きが緩慢(かんまん)になり、再び分子同士が引き付け合うようになります。

 

 

そして、あちらこちらで三次元の「網目構造」を作り始め、この「網目構造」の隙間に液体成分が包まれて保持されるため、全体が粘弾性を持ったゼリー状に固まるのです。

 

 

 

 

市販のゲル化剤

 

市販の「ゲル化剤」の多くは、固まったものを乾燥させ、「糸状・粉状・板状・顆粒状(かりゅうじょう)」などに加工したものです。

 

それぞれの「ゲル化剤」は、ゲル化に必要な条件などが違いますので注意が必要です。

 

 

 

ゲル化剤の分類

―――― 原 料
ゼラチン(タンパク質) 牛、豚などの皮膚や骨        【 動 物 】
寒 天(多糖類) 紅 藻 類(テングサ、オゴノリ など) 【 海 藻 】
カラギーナン(多糖類) 紅 藻 類(スギノり、ツノタマ など) 【 海 藻 】
アルギン酸(多糖類) 紅 藻 類(スギノリ、ツノマタ など) 【 海 藻 】
ペクチン(多糖類) 果 実(リンゴ など)         【 植 物 】

 

 

 

 

以上、参考にしていただけたら幸いです。

 

 

 

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