小麦粉のデンプンについて

 

焼きたてのパンや出来立ての小麦饅頭などは、柔らかくて とても美味しいです。

 

ですが、2〜3日経過するにつれ「バサバサ」して硬くなっていくのは何故でしょう?

 

 

今回は、「バサバサ」して硬くなっていく原因について 調べてみました。

 

 

 

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小麦粉のデンプンの老化現象について

 

結論から言います。

生デンプンの中に、2種類の物質が 隙間なく詰め込まれて硬い状態になっています。
熱エネルギーを加えると、「アミロペクチン」の構造が緩み、その隙間に 水の分子が入り込み膨張していき 柔らかくなっていきます。

 

しかし、2〜3日経過するにしたがい、膨張した隙間の水分が 少しずつ放出して 硬くなっていきます。

 

 

 

 

生デンプン

 

小麦粉のデンプンには、「アミロース」と「アミロペクチン」の2種類があります。

 

どちらも「デンプン粒(りゅう)」の中に、生の状態で隙間なく埋め込まれていて、硬い結晶構造を作ってます。

 

 

 

 

デンプンの「糊化(こか)」

 

パンや小麦饅頭を 焼いたり蒸かしたりすると熱エネルギーによって「アミロペクチン」の構造がゆるみ、その隙間に水分が入り込んで大きく膨張します。

 

同時に、「アミロース」は温水に溶け込んで「デンプン粒」から外へ流れでます。

 

このように水を吸収して柔らかく消化の良い状態になることを、「糊化」と呼んでいます。

 

 

 

 

デンプンの老化

 

出来立てのパンや小麦饅頭を放置しておくと、少しずつ硬くなり「バサバサ」した状態に変わっていきます。

 

これは、柔らかくなっていった「アミロペクチン」が、外部に水分を放出していき 硬い結晶状態に戻ってしまうからです。

 

また、「デンプン粒」から流出した「アミロース」も外で硬いゲル構造に変わってしまいます。

 

 

このように、再び生デンプンのような硬い状態に戻ってしまうことを「デンプンの老化」と呼んでいます。

 

 

 

 

デンプン老化の進みやすい温度

 

デンプンの老化は、【 水分保有量が30〜60%、温度が 0〜3℃ 】の時が 最も進みやすいと言われています。

 

パンや小麦饅頭などを保存する際は、冷蔵庫ではなく急速冷凍し水分を凍らせてしまったほうが、美味しい状態を保てます。

 

 

 

まとめ

 

1、生デンプンには、「アミロース」と「アミロペクチン」の2種類があります。

 

2、どちらも「デンプン粒」の中に、隙間なく埋め込まれていて、硬い結晶構造を作っています。

 

3、上記に熱エネルギーを加えると、「アミロペクチン」の構造が緩み、その隙間に水分が入り込んで大きく膨張します。

 

4、同時に、「アミロース」は温水に溶け込んで「デンプン粒」から外へ流れ出ます。

 

5、このように水を吸収して柔らかい状態になることを、「糊化」と呼びます。

 

6、出来立てのパンや小麦饅頭を放置しておくと、少しずつ硬くなり「バサバサ」した状態に変わっていきます。

 

7、これは、柔らかくなっていた「アミロペクチン」が外部に水分を放出していき硬い結晶状態に戻ってしまうせいです。

 

8、また、「デンプン粒」から流出した「アミロース」も外で硬いゲル構造に変わってしまいます。

 

9、このように、再び生デンプンのような硬い状態に戻ってしまうことを「デンプンの老化」と呼んでいます。

 

10、デンプンの老化は、水分保有量が30〜60%、温度が0〜3℃の時、最も進みやすいと言われています。

 

11、保存する際は、冷蔵庫ではなく、急速冷凍し水分を凍らせてしまったほうが、美味しい状態を保てます。

 

 

 

 

以上、参考にしていただけたら幸いです。

 

 

 

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